「最近 町に鬼が出て 　　　悪さをしている｡」 法露御仙人が 言ったのは 本当なのだろうか？ そろそろ 私に出て行ってほしく なったので それらしいコトを 言ったのか… 最近 法露御仙人は 『鬼滅の刃』に ハマっていたので 影響を受け過ぎて しまったのか… 電車の中から 流れる車窓の風景を 眺めながら そんなコトばかりを 考えていた。 町に着くと 劇団員みたいな人が シクシク泣いていた。 以前 道の駅で 法露御仙人と 話しをしていた人だと 憶えていたので、 絶対にヤラセだと わかってしまい “スルーしようか”と 悪い考えが ふと過ってしまいましたが、 他の人も 劇団員のコトを ジロジロ観ていたので、 『どうしましたか？』と 　　　　　声をかけました。 「最近 町に鬼が出て 　　悪さをするのです…」 『…はぁ、』 「町に降りてきては 　我々の集めた 　“いいね”を奪って 　行ってしまうのです…」 『ソレハタイヘンダ 　ワタシガ 　 タイジシマショウ』 超絶な棒読みには なりましたが、 ひと通りの くだりを終えて 劇団員の方に 別れを告げ 鬼退治へと 向かいました。 鬼退治と言えば だんご的なやーつを 配ってお供をつけるのが セオリーなので とりあえず レジ前にある みたらし団子を 3パック程購入して 鬼の住処へと向かった。 町から鬼の住処へと 向かう間に 犬･猿･キジを仲間にする 予定を立てていましたが、 鬼の住処が 意外と近くて 間に合いませんでした。 犬はドーベルマンか 土佐犬が理想で、 最悪 ビジュアル的に 秋田犬を 希望していましたが、 道中に出会ったのが ポメラニアンだったので 団子を食べさせようと したのですが、 飼い主さんに こっぴどく叱られたので、 諦めるコトにしました。 鬼の住処の近くにある ホームセンターに寄り ペットコーナーで セキセイインコを 購入しました。 リスザルも 販売していましたが、 所持金が 不足してしまいました。 結局 セキセイインコと みたらし団子3パックを だけを持って 鬼退治に向かうハメに なりました。 鬼を目の当たりにして 私は声も出ませんでした。 鬼の顔は ヒデ爺そのものでした。 “いいね” が欲しくて 鬼になって しまったのです。 鬼の姿を見て すっかり足がすくんで 硬直してしまった 私の首元に 瞬時に間合いを詰めた 鬼が爪をたててきました。 『やられるっ!!』と 思った瞬間でした。 セキセイインコが ペットコーナーで ずっと教えられて いたであろう言葉を 喋りだしたのです。 “チャンネルトウロク 　　オネガイシマース” すると鬼は セキセイインコの元に 駆け寄り 「このインコめっちゃ 　　“いいね” 稼げるやん!!」と 　　　　　　目を輝かせました。 とりあえず 鬼にセキセイインコを 譲るコトにすると それから 町に鬼が現れるコトは ありませんでした。 めでたしめでたし。 長々と読んでいただき ありがとうございます。 三部作を全部 読んで 無駄な時間を 過ごしたと感じた方も いらっしゃるでしょうが、 これを 読んだ時間なんて 一生のうちの ほんの僅かな時間です。 みていただき ありがとうございます。