本日のテーマは 久々に「Mod，s」スタイル スクールストライプの３釦ＪＫＴに グレンチェックのテーパードパンツ チャッカブーツ、黒いモッズパーカ ブリム（つば）が極端に狭い ６６６英国製ポークパイハットなど 典型的なモッズスタイルを大人っぽく ブラッシュアップしたスタイルです。 10代の頃にポール・ウェラーを心の師と仰ぎ モッズスタイルに傾倒してはや30年。 「墓に入るまでがモッズ」を実践中です。 ここ数年モッズコートが一般層でも 定着してますが、もしかしたら「モッズコート」 の「モッズ」の部分の意味とか知らずに 着てる人も多いんじゃ無いかと思います。 だからダメとか言うわけでは無いのですが 自分が身に着ける物のルーツとか意味を 知る事で、深まる愉しみというのもあると思うし 知る事で「スタイル」もより深まるのでは ないかと思います。（特にメンズはね） 「モッズ」とは1950年代後期にイギリスで生まれ 60年代に大流行した ファッショントライブ （○○族みたいな意味） モッズより以前のファッショントライブである テッズ、ロッカーズ等は、階級社会が根強く残る イギリスにおいて最下層に属する労働者階級の 不良少年達のスタイルだったのですが モッズと呼ばれる人達は中産階級の子息も多く 仕事も普通の会社員とかが多かったようです。 モータウンやR&Bなどの黒人音楽に傾倒し イタリアンスタイルのスーツを極限まで細身に オーダーする。移動はスーツスタイルでも 乗り易いベスパやランブレッタ等のスクーター そして大切なスーツをバイクで汚さない様に コートとして羽織ったのが米軍放出品の 「M‐１９５１シェルパーカ」 所謂「モッズコート」というわけです。 「モッズ」の語源は「モダニスト（洒落者）」で とにかくお洒落でスマートである事に拘り 日に3回着替えたと言われてます。 仕事明けに友達とカフェで落ち合う時は ジーンズにポロシャツといったカジュアルスタイル リーバイスのリジットデニムを１サイズ小さく買い 穿いたまま風呂で濡らし、そのまま部屋で乾くまで 穿き続け、自分の身体に合わせていたそうです。 このカジュアルスタイルは「ローギア」と呼ばれ 夜にクラブやパーティーに繰り出す時には とっておきのスーツスタイル「ハイギア」で ばっちり決めて出かけて行きます。 服装だけで無く、所作や立ち居振る舞いにも スマートさを求め、ポーズやポケットの手の入れ方 にまで決まり事があり、酩酊状態になる事も クールでは無いとされ、ドラッグや深酒もNG 「パープルハーツ」と呼ばれるモッズ愛用の ケミカルドラッグは、朝まで踊り、遊び続ける テンションを維持する為の興奮剤だったそうです。 同時期のトライブである「ロッカーズ」とは 敵対関係で、映画「さらば青春の光」の 題材にもなった、「ブライトンの暴動事件」 等の抗争が繰り広げられていました。 中産階級であるモッズの支持政党は保守党 音楽も洋服の趣味も正反対で、労働党支持者の ロッカーズ達と仲が悪いのも無理も無い話です。 60年代の中頃には「ビートルズ」や「ザ・フー」等の 人気バンドもモッズファッションに身を包み 社会的なブームとなり、量産型のフォロワー ステロタイプのファッションモッズを生み出します。 60年代後期には流行としては終焉を迎えますが 70年代後期に「ザ・ジャム」のポール・ウェラーにより 「ネオ・モッズ」としてリバイバルブームを起こし その影響を受けて育ったファッションデザイナー達 により、90年代には細身のスーツが流行し その後10年くらいかけて、大型量販店のスーツに 至るまでをも、細身型へと変えていきました。 現在のファッションを見れば解るように 「モッズスタイル」が与えた影響は大きいです。